日影工房/ダントツ年長者の童話作家「チェリー」のあるあるコラム

勝手な自分の思いこみから、大変なことになったことって、ありませんか?

私は・・・ありました(涙)

これは、数年前に起こった私こと、童話作家チェリーと、イラストレーターのモンキーさんの間で起こった実際のお話です。

8年前に、チェリーは、共同出版という形で、童話を出版。
チェリーは、出版社紹介された数多いイラストレーターの中から、挿絵にモンキーさんを選び、童話が完成。
チェリーの本がきっかけで、モンキーさんには、次々とその出版社から、本の挿絵の依頼が来るようになり
「これも、チェリーさんが、自分を選んでくれて、童話に挿絵を描かせてくれたおかげ」とチェリーに感謝。

チェリーも、「モンキーさんのおかげで、いい本が出せたと」これまた感謝し、二人の関係は、良好でした。

チェリーの童話は、動物が主人公。チェリーとモンキーさんは、これで、キャラクタ―商品ができたらいいねと、二人はメールや電話で盛り上がったのでした。

そのうち、商品化の話も進まないまま、モンキーさんとチェリーは、連絡をとることもなくなり、時が流れて行きました。

そうした、2年前のこと。
チェリーは、実用新案を取得したノートのサンプルを作ることにし、そこに、以前出版した童話のキャラクターの動物の絵を使ったのです。
チェリーは、共同出版をしたときに、180万円支払っていたので、そこで使われた挿絵も、自分のものになったと思っていました。

チェリーは、久々に連絡をしてみようと、完成したサンプルのノートを、モンキーさんに送りました。

するとモンキーさんから「あの絵は、私に著作権があるので、無断使用は困ります。使用料を払ってくださいね」とメールが入りました。

チェリーは、びっくり!知らなかった!と、すぐに「ごめんなさい。てっきりあのイラストは、私のものだと思っていました。知らなかったこととはいえ、本当にごめんなさい。おいくらお支払すればいいか、教えてください」とモンキーさんにお詫びのメールをいれたのでした。
「わかりました。改めて、請求書をお送りしますね」とモンキーさんからメールが来たのでそれで、解決したと思っていたチェリーでした。

ところが・・・
その翌日、またモンキーさんから来たメールに、驚愕したチェリー!

「もう、いい加減にしてください! どうしてこんなことをするんですか。私は以前のように個人としてではなく、会社を作って、会社としてやってるんです。社長は私じゃないですけど。
会社の人間が、今度のことは、裁判にしてもいいくらいだって言ってますよ。私は、ただ自分の作品を守りたいだけなんです。前は、あなたとこれで、キャラクターを作りたいねって言ってたかもしれませんが、あなたみたいな個人とは、もう一緒にやるつもりはありませんから!」

一体何が起こったのか、理解不能なチェリー。
あまりの強い口調でのメールに、身体が震えたチェリー。

昨日のメールで、今回の件は解決したんじゃなかったの?
今回のことがあったにも関わらず、また、勝手に、そのイラストを使って、何かしたのなら、「いい加減にしてください」と言われるのはわかるけど・・・。
なぜ、昨日の今日で、こんなメールになっちゃうの?
他の人が書いたのかしら? このメール・・・。

それだけが、頭をぐるぐる廻るチェリー。

あれだけ仲良しと思っていたのに・・・。

その後、チェリーが、著作権に詳しい人に相談したところ、「そのノートを売るとかしたのなら別だけれど、サンプルとして作っただけなら、お金を払う必要なんかないんだよ」と言われました。

チェリーは、そうなんだ、と思いながらも、もめるのが嫌だったので、言われた金額をモンキーさんに、支払ったのでした。

チェリーは、ネットでとってきたイラストを、自分個人の仕事のチラシに使いたい時は、そのイラストレーターに連絡し、許可を得るなど、著作権には気を使う人間でした。
しかし、今回、勝手な思い込みから、確認を怠り、友情も失ってしまったのでした。

自分がイラストも買い取ったと思っていたチェリーですが、念のために出版社に確認しようと思ったのです。
しかし、出版社は、倒産した後。契約書を確認したけれど、そこには、挿絵についての著作権については何も書かれていませんでした。そこで、きっと自分のものになっているはず、と思いこんだまま、サンプルノートを作ったのでした。

そのときにモンキーさん本人に連絡して、確認していれば、今回の事態は防げたはず。

皆さんは、このようなことのないように、契約書には、著作権は誰がもっているのか、2次使用のときの条件はどうするのか、等、きちんと文章にして入れておきましょう。
不安なときは、必ず、その相手に確認しましょう。
そうすれば、モンキーさんやチェリーのような、悲しい事件はおこらずに済むのです。
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